世説新語の言語の五十六

世説新語の言語の56。訳はてきとう。

簡文作撫軍時,嘗與桓宣武倶入朝,更相讓在前。宣武不得已而先之,因曰:“伯也執殳,為王前驅。”簡文曰:“所謂‘無小無大,從公于邁’。”


簡文帝(司馬昱)の撫軍(大?)将軍であった時、桓宣武(桓温)とともに朝廷に参内したことがある。互いに先に入ることを譲り合ったが、やむを得ず宣武が先となった。そこでいって:“伯なる者は殳(兵器)を執り、王の為に前驅す”。」 簡文いって:「所謂 “小と無く大と無く、公に従い于き邁く”。」
※ “伯也執殳,為王前驅”は《詩経・衛風・伯兮》、 “無大無小,從公於邁"は《詩経・魯頌・泮水》の句。


司馬昱「ああ、世に言う “老いも若きも,公に従い行きゆく” ってことですか」
桓温 (あれ? 俺何かまずいこと言った?)
と、掛け合いしようと思って文章引っ張ってきたのに、いやみで返されたようにも見えるんだ、これ。